1

2/11
前へ
/119ページ
次へ
私は今、人生の分岐点に居ます どうしてこうも人の人生とは上手くいかないものなんでしょうか まさか、この一般庶民の私が若干17歳と言う年齢で 七五三でくらいしか着たことのない日本の民族衣装に身を包み、初めて会う殿方と全く面白くもない対談をしなくてはならない事態になるなんて思ってもみませんでした 「那智さんのご趣味は?」 そう言ったのは私の斜め前にお座りになっている綺麗なお顔をなさったご婦人でした 私は馴れない正座で足が痺れて今にも発狂したいくらいでしたが、ご婦人のその素晴らしい笑顔に私も笑顔を向けて答えさせて頂きました 無難な答えにご婦人は納得したように頷いて 私の隣に座る母と談笑を始めました それはもう、和やかにお見合いと言う名の対談は進行していきました
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加