好きなものだから

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 僕の横をすっと自転車が通り過ぎていった。自転車は二人乗りで、台座にショートヘアの女の子が座っていた。  自転車はゆっくり僕の前を走っていく。台座の女の子の髪が風に吹かれてふわりと浮いた。それぞれが好き勝手に踊り回って、女の子はそれを気にした様子はない。  ショートヘアが踊る中、ちらりと女の子の首筋が覗いて、僕は少し恥ずかしくなって俯いた。  女の子は後ろにいる僕のことなど少しも気にかけることなどなく、どんどん先へと進んでいった。
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