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「……ん?」
キャベツご飯を咀嚼し、テレビを眺めていると、ふととあるニュースが目に入った。 裏道の、殺人事件。
「ひでぇな、女を――ん、俺がやったやつか」
なんと、テレビに映っているのは昨夜殺しをした場所だった。 警官やらが捜査をし、立ち入り禁止になっている様子が映される。 画面の左上には「連続殺人事件」の赤い文字が並んでいた。
「あー……最近、殺しすぎたか。 全部首だけ斬ったからな……同じ事件として扱われちまう」
動きにくくなりそうだ。 ガシャン、と皿をシンクに置き、適当に水に浸けておく。 洗うのは、夜にまとめてやってしまおう、と。
「……独り言だな」
一人虚しく呟こうとして、ハッと気づく。
どこからか、視線を感じる。 ただの視線ではない。 これは――
――殺気!
早紀はとっさに台所の壁に身を伏せ、隠れた。 するとそこに、おもりのついた鎖がぶち当たり、衝撃が伝わる。
ガシャァン! と窓ガラスの割れる音がし、そして複数の足音。
早紀は思わず、にやついてしまう。
「いきなり殺し合いか……!」
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