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2話 夕陽に染まる海
私はただのベルグマシンのパーツにすぎなかった。
すべての記憶を失い、課せられた任務はメインパイロットである龍真烈矢のサポートをすること……ただそれだけだ。
それが私の全てであり、唯一の存在価値。
「お前の名前は夕海(ユミ)だ。夕陽に染まる海、それで夕海だ」
「…………あ……」
だから、名前なんて必要ない。
私は機械の一部でしかないのだから。
それなのに………それなのに………。
夕海………。
私の名前……。
どうしてこんなにも温かい気持ちになれるのだろう。
どうしてこんなにも嬉しいのだろう。
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