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「hello!聞こえてる?もう一人の僕」
「hello!聞こえてんぜもう一人の俺」
僕らはこうして夢の中でしか会えない
もう一人の俺はいつもこの時間に此処にやってくる
「…いつも此処で一人で飲んで寂しくない?」
目の前には見慣れた我が家
だけどそこにいるはずの人達は誰一人として居ない
「いつも一人じゃねぇよお前が…来てくれるだろう……?」
桜の樹の上から答えるもう一人の僕
きっと最後の言葉が弱々しかったのは嘘じゃないんだろうけど
僕は黙ってもう一人の僕の隣まで登って満月を仰いだ
「……どーした?」
「んー?もう一人の僕が見てる物を僕も見たくてさ」
「なんだそら」
僕らは決してお互いが交わる事は無いけれど
せめて夢の中では一緒に盃を交わそう
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