一瞬の美を越えた恋

2/5
前へ
/34ページ
次へ
それはまだ、オイラが岩隠れの上忍をやっていた頃の話。 「ふぅ、今日の任務もなかなか大変なモノだったなぁ~?デイダラ?」 「そうか?別にたいしたことなかったと思うぜ?うん。」 デイダラのそっけないその言葉に、共に任務をこなしたカイはガクッと肩を落とした。 「はぁ…敵わねぇぜデイダラ…お前にはよぉ…」 「そうだな。あんなんでくたばるようじゃ一生オイラには勝てねぇな。うん。」 更にそっけなく返すデイダラの言葉に、カイはどんどんドン底に落ちていく。 当時デイダラは、岩隠れの天才と呼ばれる程の里でも有数の実力者だった。 対してカイは最近なんとか上忍に上がったような、実力も上忍の中で中の下の忍。 二人の実力差は圧倒的だった。 「何よカイ~、あんた年下の子に敵わないとか言ってたの~?」 その時、すぐ隣にあった木の上からひとつの声が響いた。 「!…誰だ…?」 言われて覗く女の顔。 「…ホタルッ!?お前いつからそこにッ!?」 そう言われてホタルという女性は木から飛び降りて言った。 「任務終わってからずっと、ここの場所大好きだからぁ。」 …ひとめぼれだった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加