ペアリング

3/13
前へ
/63ページ
次へ
中学二年から付き合い始めた私(千草)と彼(名雄)は、高くてなかなか買えないペアリングを学校帰りにあるアクセサリーショップで必ず見る事が日課になっていたほどペアリングに憧れていた。 そのきっかけは高校生のカップルが付けていたペアリングを見た事から始まった。 それからペアリングは恋人の証だとわかり、それは高校生にならなければ付けられない。と思っていた。 そして中学三年の真冬。 マフラーを口が隠れるぐらい深く巻いて歩いていた私と彼はいつものアクセサリーショップを通過した時、ただひとつの約束を交わした。 「なぁ千草…高校生になったらペアリング買おうな」 その言葉が嬉しかった。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加