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「うん」
そう言って冷たい私の片手をそっと繋ぎ、コートのポケットにスポッと入れてくれた。
そんな些細な事で幸せを感じ、こんな寒い冬も暖かく感じた。
「じゃあ勉強頑張らなきゃなぁ」
と頬や鼻を真っ赤にしながら私が言うと、彼もつられて「俺も」と言って微笑んだ。
お互いがお互いを応援し、励ましたから諦めそうになっても、勉強が辛く感じても頑張れた。
年が明け、春が来て、私たちは無事に高校生になった。
そして大事な大事な入学式の日も明るく彼が迎えに来てくれて一緒に学校へと向かった。
「千草、おはよう」
「おはよう、名雄」
こんな毎日がしばらく続いた。
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