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昔むかし、とはいっても、そんなに大昔ではない昔。ある城下町にシンデレラという少女が住んでいました。
彼女の父はとても裕福な、何艘もの船を持つ貿易商です。母は町でも評判の美しい人です。
シンデレラは二人の大切な一人娘で、それはそれは大切に育てられていました。そのせいか、彼女は少し我儘でひ弱なところがある少女でした。
シンデレラが8才の時です。その冬は、とても寒い日が何日も続き、また雨が全然降りませんでした。
隣り町で流行りだした悪性の病は、またたく間に国中に広まっていったのです。
そして、なんとシンデレラの母もその病にとりつかれ、帰らぬ人となってしまったのでした。
しかし、彼女の父親は涙の乾く暇もなく忙しく働かなければなりませんでした。シンデレラは、毎日一人部屋に閉じこもり泣いていたのでした。
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