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「今日も変わりないかい?ノア」
「YES、異常ありません。シュウ」
私の心臓部ともいえるメインコントロールルームを寝室代わりにしている主人は、起きると必ずこの不要な質問をする。人は私のような人口知能相手にも、アイサツという手間をかけるものらしい。
私の所有者であり最高責任者でもある主人、セュウバリィは進んで私をノアと呼ぶほどのKKびいきで、自らもKK風にシュウと呼ばれる事を好む。
「シュウ、空調の設定温度もいつもどうりですが、問題ありますか? 」
「いや、問題ないよ。なんだい?」
「布が少なすぎる気がするのですが。」
美貌の艦長として銀河でも名が通っている主人は、その美しい口元を意味ありげにゆがませ笑った。
「ノアが人口知能だって事つい忘れてしまうんだよね。暑くて薄着してる訳じゃない。そうだ、ミハルを呼んでくれ。」
「了解しました。」
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