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ミハルはKKからの避難民の一人で、多くの者と同じくそのままここに居着き、クルーとして働いている。 一つの街を形作るほどに広大な船内だが、どこに居ようとも文字通りに私の体の一部分である為に、人一人見つけ出す事は容易いものだ。 船内の端々にまで網目のように駆け巡り私の血管ともいえる通信線から、旅行船の停泊場所で入艦手続きをしていたミハルに呼びかけた。 「ミハル、艦長がお呼びです。すぐにコントロールルームに来て下さい。」 「あぁ、なんだノアか、了解。了解。すぐ行くよ」 空中から突然呼びかけられる事に未だなれないミハルは、びっくりしたなぁ、などと言いながらもこちらに向かっているようだ。 このなんとも平凡な青年がお気に入りとは主人の好みは理解出来ない。
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