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ミハルは多くのクルー達に頼りにされ、街の人々からも慕われる好青年で、さらに我が主人にまで好まれているが、その理由が一向に分からない。
ミハルよりも優れた容姿、ミハルよりも豊かな才能を持つ者は多い。親切さや誠実さといったものも完全に理解出来ている訳ではないが、ミハルよりも親切で誠実な人だって腐るほどいるだろう。
飛び抜けた個性や才能に惹かれあれだけ羨みながら、バランスが取れた人間の方を選ぶなんて、ヒトとは難解なものである。
出会う一人一人にいちいちアイサツをし、時に世間話で引き止められているようでは、何時までたっても主人のもとにミハルを行かせる事が出来ないではないか。
「ミハル、急いで下さい。」
主人に呼ばれておきながら、のんびりしている青年につい呼びかけてしまった。
はいと返事はするが、話かけられれば答える態度に変化はない。
苛立つと言う感情が理解できた。
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