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「あはは・・・。ならまた明日の早朝に・・・。おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
優希は、迅の立っていたドアから家に入った。
暫く歩き、自分の部屋の前に辿りつく。
相変わらず広い。つくづくそう感じる。
廊下もケートラなら2台くらい余裕で通れる位幅がある。
自分の部屋のドアを開ける。
中に入り、鍵をかける。
優希の部屋は元々、物置として使われていたが、優希がこの家に住むことになったその日に物置を改造し、優希に提供した。
そのためか、部屋はそこそこ広いが、優希自身、あまり家具を置く事は無く、以外に素っ気ない感じだ。
あるのはタンスとクローゼット、少し洒落たテーブルと椅子、そしてシングルベッドだ。
それと部屋の隅に、銀色に光る鉄柱が、天井と床を繋いでいる。
優希はシングルベッドに倒れるように横になった。
それと同じように、部屋中にコンコンッと軽快な音が響く。
「(来たか・・・。)いいぞ~。」
その言葉を合図に、先程説明した鉄柱を中心に、天井に直径2mの穴が空いた。
その穴から、まるで消防士のように鉄柱を伝い、滑り降りる一人の人間。
「・・・何か用か?斉藤・・・。」
「用があるから来たの。」
「そいつは失礼した。」
この滑り降りてきた人物、斉藤美佳(サイトウ ミカ)は、ベッドに倒れている優希に話しかける。
ちなみに、美佳の部屋は優希の部屋の真上なのだ。
あの鉄柱は、優希の部屋と美佳の部屋と繋がっているのだ。
「峠に行ってたの?」
「まあな、結局走れ無かったがな。」
「何かあったの?」
美佳の質問に、一拍置いてから答えた。
「バトルの最中に乱入しちまった。」
「あ~らら~、やっちゃったのかぁ。」
「ああ、やっちまったよ。」
「それで喧嘩売られた?」
「いや、必死に何度も謝ってた。」
それから色々話しているうちに、優希は眠ってしまった。
「えぇ!?ちょっ!寝ないでよ~!これから盛り上がるとこなんだから~!」
美佳の必死の呼び掛けにも関わらず、一行に目を覚まさない。
「起きてよ~!!あの『鈴木さんキッチン爆破事件』の真相教えるから~!!」
知った所で何もならないような話題である。
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