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空からポカポカと暖かい陽射しが降り注ぐ中、外気と遮断されたガレージには冷たい空気に満ちていた。
その冷たい空間にいる人間は、優希だけだ。
今から対最速のセッティングをするところだ。
あのFDは速い。
パッと見ただけで分かる戦闘力の高さ。
峠と言う限定されたステージを、可能な限り速く走る為に金と手間をかけて改造したマシン。
調整に調整を重ね、妥協せずに仕上げたその車は、優希にとってはどんな高級車よりも輝いて見えた。
「さて・・・。始めっか。」
そう呟き、作業に入る。
どれくらい作業しただろう?
ケータイの画面を見て、時間を確認すると。既に昼を過ぎていた。
「腹減った・・・。」
静かに呟き、昼食を求めてZに乗り込み、街に出た。
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