SCENE.4 NEXT

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Zがサイドターンしたのを、英二はFDのバックミラー越しに確認した。 ings製のエアロパーツを付けている黒いZは、自分の知る限り1人しかいない。 優希だ。 間違いない。 それはいいとして、何で追い掛けてくるんだ? 昨日のあれの事だろうか?それともただ単に暇潰しの相手を探しているのか? まあ、麓に着けば分かる事だ。 取り敢えず、7割程度で流してみるかな。 FDが少し加速する。 だが全開ではないのは他者から見ても明確であった。 そのペースに優希も素直に着いていく。 先程まで走ってきた道を、逆方向に走っていく。 コーナーを次々に通過していく。 そして優希はつくづく思った。 上手いと。 無駄がないと。 余計な動きがなく、まるで滑るかのようにスムーズだ。 全開で走っていないからこそ、優希には英二の技術の高さを思い知ってしまった。 麓の駐車場にたどり着く。 2人は隣同士に車を停めると、エンジンをアイドリングさせたままの状態で、ほぼ同時にドアが開き、ドライバーが降り立ち、向き合った。 「・・・その様子だと、ただ単に走りに来た訳じゃなさそうだな。」 「はい。昨日の事で、返事をしたくて。」 「・・・そうか。それで?」 静かだか、どこか威厳のある口調で、英二は質問した。 優希は息を言ったん吸い込み、一拍置いて、言った。 「・・・俺は、一人の走り屋として、沖田英二のバトルを受けます!」
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