SCENE.5 対最速

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辺りはもう暗くなり、時刻は現在PM9:25。 優希は斉藤家にある自室で仮眠をとっていた。 規則正しい寝息をたてている優希。その姿に、緊張感というものは感じられない。 「よく寝れるよね~。バトルの直前なのに。」 「だからこそだろ。ギリギリまで集中力蓄えてんだろうよ。そんだけ今日の相手が速いって事なんだろう。」 迅と美佳は、広いリビングで紅茶を飲んでいた。 話題はやはり今日のバトルと、現在の優希の状態についてだ。 「私だったら寝ようにも寝れないよ。やっぱ緊張するし。」 「そこは人間として当然だろうな。小学校通ってるガキンチョが、明日行く遠足が楽しみで眠れないってーのと一緒だ。」 「でも優希は寝てるよ?」 「あいつの場合は特殊だ。明日行く遠足に早く行きたいから寝る。そんな感じ。」 「なるほどね~。」 迅の説明に、美佳は納得した様子で頷いた。 「だがそれにしても、今日は現最速の走り屋に挑戦するってーのに、緊張感とかないのか?」 「無いでしょ。どうせ。」 「お前・・・ハッキリ言うなよ・・・。」
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