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話は終業式前日の
放課後から始まる……
――――――……
大体の部活が活動を終了した夕暮れ、僕は今、体育館裏にいる。さっきから心臓がバクバクいってうるさい。
そう、僕は今日彼女に告白する。え?場所がベタすぎる?気にしない気にしない。
何故ヤンキーでオマケに内気の僕がここまでやるのかというと、五十嵐が毎晩のごとく「早くコクっちゃえよ!」としつこくメールされたわけではない。送らないとか言ってたくせに……
――これはもう僕自信の問題だ。
とにかく好きになってしまった。彼女のことを。
惚れた理由なんかないんだよ。
ただ好き。だから今日告白する。
……彼女には彼氏がいるってことは知っている。可能性は0に近いかもしれない。
でも、五十嵐の言うとおり「当たって砕けろ」なのかもしれない。
だからそんなこんなで僕は下駄箱に手紙を入れ、今、彼女が来るのを待っている。
「早く来ないかな?部活があるからしょうがないか……」
僕は立ち疲れて、近くの段差に腰を下ろした。僕は、れっきとしたヤンキーだけど煙草なんか吸わない。武器なんかも携帯してない。……ヤンキー失格だね。
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