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内海は、黒板に文字を書きながら説明をする。
内海「日本の人口は、高齢化が進むとともに、少子化…」
一通り話終わったら、教科書を閉じた。5秒の沈黙の後、チャイムが鳴った。
キ~ン~コ~ン~カ~ン~コ~ン♪
生徒1「すごいよね、毎回毎回、授業が長引く事もなく同じタイミングで終わってるよね?」
生徒2「ホント、精密機器みたい…さすがロボ先生」
ひそひそと話す生徒達。クラス委員の女子が起立、礼、着席の号令をかける。内海はすぐさま教室を立ち去り、職員室へと向かう。教職員と会話もせず、自分で作ってきた弁当をもって、中庭へと出ていった。
焼き魚、野菜、卵、鳥の唐揚げ、お茶。健康に気を使っているのだろう。バランスの取れた弁当である。ちなみに、彼はタバコも吸わない。本人に自覚はないが、こんな所が医者の息子らしいと言えるだろう。
食事を終えた彼は、ゴロンと寝転がり空を見上げた。
内海(…青いな…)
青く晴れた空から降り注ぐ太陽の光が気持ちいい。ふと、携帯を手にとって見る。
内海「そういえば、電話鳴ってたな…」
携帯電話のディスプレイにメールマークがついている。
内海(…メール…珍しいな。誰からだ?)
メールを開くと、見慣れないアドレスが表示されている。
内海(REMEGETON…レメゲトン…なにかの、広告メールか?なになに…『電魔を育ててみませんか?』…なんだ?これは…)
さらに、メールの内容を確認する。
『電魔の卵に、写メールを送信する事で貴方の心を映し出した電子生命体が誕生します。3日以内に写メールの送信がない場合、自動的に卵は消滅します』
内海(…なるほど、電子ペットというやつか…私にとってこういった事は、有りか・無しかで言うと…)
ウツミ「無しだ」
彼は、携帯の電源を切ってポケットに入れて立ち上がった。
キ~ン~コ~ン~カ~ン~コ~ン♪
間もなく、午後の授業が始まる…内海は中庭から出て、授業の準備をする為に職員室へと向かった。
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