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―――敵の砦。
豪族
『大戦果だ。敵は算を乱して逃
げていきおったわい。はっは
っはっはっは』
重次
『どこが大戦果なのですか!』
重次は激しい口調で怒鳴った。
豪族
『重次殿、何を怒っておられ
る?敵は逃げて行ったではな
いか。それに再び攻めてきた
時には、この鉄砲を浴びせて
やりますよ』
重次
『いいですか?戦は生き物で
す。常に“流れ”が存在しま
す。その流れに乗った方が勝
利を掴めるのです。あなた達
は敵をあと一歩の所まで追い
詰めたにも関わらず、少々の
援軍が現れただけで撤退し
た。なぜ、勢いに乗って攻め
なかったのですか?あの
時、“流れ”は完全に我々に
傾いていました!』
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