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プロローグ
「暑いな…おい、クーラーとか無いのかよ?」
扇子で自分を扇ぎながら、部屋の持ち主に文句を言った。
「そんな贅沢な機械なんか持ってないよ。そんなに文句があるなら、買ってくれ。」
藤堂孝彦は、友人である篠山祥太に、投げ遣りな態度で答えた。
「あ~、考えておくよ。さて、そんな話よりだ…今回は、どうする?」
孝彦に逆に質問をした。
「アレだな?考えはまとまってるよ。」
孝彦が不敵に笑う。
2人の言うアレとは、三国志を題材にしたカードゲームの事である。2人はよく、このカードゲームをやるのだが、ある日の夜、様々な勢力の武将達を選び、ゲームを開始した。すると、2人はその戦場に飛ばされてしまった。初戦は、孝彦が小覇王・孫策。祥太が乱世の奸雄・曹操になり、戦い、辛くも、孝彦が勝利を手にした。
「うん。前回は副武将で勝てた気がするよ。こうなると、その辺りを考慮しなきゃな。」
孝彦は手持ちの武将カードを眺めた。ちなみに、初戦が終わった後、お互いの武将が一緒にならないように、カードを半分に分けていた。しかも、戦闘中に戦死した武将は、カードから絵柄が消えている為に、使用不可能となっている。
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