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ペンションのエントランスで、オーナーにお礼を言って別れた。
目指すは三階。和久が気になるという部屋に向かおうと、二階まで階段を上がったところで、ゆずるが双子を引き止めた。
「悪い。あとは任せる」
そう言って客室に戻ろうとするゆずるの顔は真っ青だ。
ひどく具合が悪そうだなと、直久が思った瞬間、ぐらりとゆずるの体が揺れた。すかさず、和久が両手を差し出し、体を支えてやる。
「大丈夫?」
優しく声をかけ、ゆずるを覗き込む和久の顔は、心配そのものだった。
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