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明らかにその空気は周りとは違う。灰色の煙のように、うねり、揺らめき、それでいて上昇するわけでもなく、下部に留まり続けている。明らかに不自然だった。
もしかすると、これが霊気とか妖気とかいうものなのだろうか。直久は思わず、ごくりと唾を飲み込んだ。
話に聞くだけだった異形の世界を目の当たりにし、明らかに自分の中の変化を実感する。
昨日までの自分とは違う。
何かが変わってしまった。
今まで、何度も触れたかった世界だったというのに、自分の変化がどこか恐ろしい。
このまま、自分はどうなっていくのだろうか。
本当に喜ばしいことなのだろうか。一族のみんなの仲間になれた、それだけで済むのだろうか。
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