7 俺にかまうな

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 再び息を吐きながら、手を元に戻した頃には、和久の顔に新たな緊張が生じているようだった。 「結界が張ってあるよ」 「結界?」 「それも捕獲用の……」 「なんだそれ?」 「簡単に言うと、罠みたいなもの。悪霊とか妖怪専用の罠だから普通、人間は掛からないはずなんだけど」 「なんで俺、掛かってんだよ!」 「……なんでだろう?」  こんな時に、弟は暢気に腕を組んで、考え込み始めたので、直久はたまらない。 「なんでもいいから、早く助けてくれよ……」  情けない声を出す直久。だが、弟は申し訳なさそうに頭を振るだけだった。
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