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「結界を張った本人にしか解けないんだよ。あとは掛かった者が結界を張った者の力を上まる力で破るか、第三者が圧倒的な力で破るか……。さっき直ちゃんが蜘蛛の巣に掛かったゴキブリみたいって言ったけど」
「ゴキブリじゃなくって、蝶」
「それにしても、ゴキブリって蜘蛛の巣に掛かるんだろうか?」
「……って、聞いてねぇーな、おい」
「それについての議論は置いといて、つまりね、第三者が結界を破るには、例えば、人間が蜘蛛の巣を破るくらいの力の差が必要なんだ。蜘蛛と人間くらいの差だよ。絶好調のゆずるなら何とかなるかも知れないけど、今、絶不調だし、僕には無理。この結界を張った人かなりの力の持ち主だと思うよ」
「じゃあ、どうすんだよ!」
直久は大声を張り上げた、その時だった。
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