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「予定外のモノが掛かったがな」
再び、くくく、と山神が笑い始める。それにカチンときたのか、直久は山神に食って掛かった。
「ほほぉ。あんた、良い神様なんだな。よぉく分かった。分かったが、分からん!!」
もはや何でもありだ。和久は、頭痛を覚え、額を手で押さえた。兄の無謀さも、ここまでいくと、尊敬の念すら生じるというものだ。
「何で、霊ホイホイの結界に、オレが引っ掛かるんだよ。もっと、ちゃんとした結界を作れよ、神様だろうあんた」
「霊ホイホイ……くくくくく……」
我慢の限界というように、山神はついに体をくの字に折り曲げて笑い出した。
「な、直ちゃん、失礼すぎる……」
「そうか? 失礼なのはそっちだろう。オレが何で悪霊と間違えられなきゃなんねぇーんだよ。どっからどう見ても、オレは善良な一般ぴーぷるだろうが」
「一般ぴーぷる……どこがだろう……」
「まあ、運動能力は天才的だけどな」
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