7 俺にかまうな

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  「……どういうことですか?」  和久はまっすぐに山神を見据える。ゆずるも、今にも噛み付きそうな顔で山神を睨み上げている。 「そやつの飼ってるアヤカシが、中に入ってきた悪霊を喰らおうとしたようじゃ。そやつは、そのアヤカシから悪霊を守ろうとしておる。いやはや、まったくもって、実に面白いのう──ヒトの子というものは……」  くっくっくっと山神が声を出して笑った。 「────はぁ!?」 「────なんだって!?」  和久とゆずるは、再び、同時に眉をしかめ、素っ頓狂な声を上げるしかなかった。
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