8 ツバキとアヤメ

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 もう、ずっと前から知っていた。  気付いていたのに、認めたくなくって、目を閉じて、見ない振りして、耳を塞いで、聞こえない振りをして、そして、自分に嘘をついていた。  だけど、どうしようもない。彼はツバキを愛しているのだから。    だけど、でも、どうして! 私とツバキは双子なのに!  同じ顔、同じ声、同じ、同じ、同じ、同じ、同じ……。    なぜ、私じゃないの?  私のどこがダメなの?  私とツバキとどこが違うの?      可哀想で、哀れなツバキ。  それなのに、なぜ?  私がツバキを羨ましく思ってしまうのは、なぜ?  
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