9 どっからどうみても、オレはイケメン高校生でしょう?

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  「そうそう。オレってばね、なぜか明治時代にきちゃったかわいそうな子なの」 「あなたの言っていることはよく分からないけど、ヘイセイっていう町があるのね。でも、どうしてここへ?」 「……町じゃなくて、ええっとなんて説明したらいいんだ。あ~なんか面倒だから町でもなんでもいいや。とにかくだ! 君がオレを呼んだんじゃないかと思って聞きにきたんだけど」 「え? わたくしが?」 「そう、君が」 「あなたを?」 「そう、オレを」 「…………なぜ? あなたのこと、わたくし、知らないわ」 「…………だよね。知らないよね~」  直久は、深いため息をついて、真っ暗闇でその高さがわからない天井を仰ぎ見る。その拍子に背後の壁に頭を軽く打ちつけ、ごつんと鈍い音が響いた。 (この美人姉妹じゃないのか、オレを呼んだのは……)  彼女たちの他の人物の可能性がある以上、直久にはお手上げな気分だった。  だいたい、自分は和久とは違って頭脳プレイは向かないのだ。駈けずり回って、相手を捕まえるとかなら、いくらでも対応可能なのだが。 (でもさ、オレのカンだと、二人のうちのどっちかだと思うんだけどねぇ)  それにしても……。  いったいこれから、自分はどうしたらいいのだろう。
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