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そう思ったら、自然に口元がほころんでいた。
「うん。助けるよ」
遠くで彼の返事が聞こえた。
「一緒に、彼女を助けよう、アヤメさん」
「ええ……そうね。助けましょう……」
そうつぶやいたアヤメには、窓の外の真っ青な空に浮かぶ雲が、ひどくまぶしく見えた。
────コンコン。
ふいに部屋の扉が鳴いた。
アヤメは、窓を見上げたまま返事をする。
「アヤメさん……私です」
どきりとアヤメの心臓が跳ねあった。一瞬にして、アヤメの体中の血が猛スピードで巡りだす。
「は、はい。今、開けます」
彼に物陰にかくれるように指示すると、パタパタとはしたなく着物の裾を揺らしながら、アヤメは扉に駆け寄る。
ガチャリと軽い音を立て、その部屋の扉は開かれた。現れたのは、さわやかな笑みを浮かべた青年だった。
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