9 どっからどうみても、オレはイケメン高校生でしょう?

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 もう誰にも止められない。動き出してしまった運命を。  これしかもう方法はないのだから……。 「ねえ、そこのあなた、まだいる?」  背後を見ずにアヤメは話しかけた。 「直久。オレは直久」  返事があった方向を、勢いよくアヤメは振り返った。そして、はっきりとした口調で言い放つ。 「直久さん。助けましょう、ツバキを」   そのアヤメの顔には吹っ切れたような、すっきりした笑顔があった。  あなたがツバキがいいというのなら。  どうしても、ツバキがいいというのなら。  望みどうり逃がしてあげるわ────あなたと“ツバキ”を。  
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