9 どっからどうみても、オレはイケメン高校生でしょう?

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 怖い。  この子は、どこまで知っているの? (でも……ツバキ……あなたには清次郎さまは渡さない……)  アヤメは、静かに目を伏せた。 「……じゃあ、今からその雪を見に行きましょう」 「え?」 「あなたをここから外へ出してあげるわ」  アヤメは自分の組んだ指を見つめながら言った。それで、かすかに指が震えていることに、気がついた。 「オレらは君をこの部屋から外へ出すために来たんだよ」  直久がアヤメに口裏を合わせてくれた。 「でも……」  彼女がこの部屋から出ることは許されない。彼女の中では神よりも絶対的な存在である父の命令だ。けれど、外の世界は見てみたい。そんなツバキの葛藤が、手にとるようにアヤメには伝わってきた。  「雪を見に行きましょう?」  アヤメは笑う。必死に笑う。  その笑顔のアヤメと直久に安心したのか、やっと首を縦に動かした。 「そうと決まれば、急いで着替えなきゃ!」  直久は薄着のツバキに着替えを促した。 「オレ、上で待ってるから、早くね!!」 
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