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これからは、姉妹ともに、新しい人生を歩んで行こう。
そしてまたどこかで会えたら、その時は、一緒に笑い合おう。
「行こうっ、ツバキちゃん!」
直久に腕を引っ張られるようにして、ツバキが廊下を走り抜けていく。
白い着物を着たもう一人の自分の姿を、アヤメはじっと見つめていた。ツバキもずっと視線をはずさない。
(さようなら、ツバキ。幸せに。どうか幸せに……)
ついに、玄関からその二人の姿が消えたのを見届けると、アヤメも行動にうつった。
「清次郎さま……」
急いでアヤメは裏庭の方へ走り出す。
清次郎との待ち合わせ場所は、裏庭を抜け、裏門を出たところだった。
赤い着物の裾がはだけても、気にせずに全力で走った。
彼が待っている。
彼は自分を待っているのだ。
そう、私は今、この時から──ツバキなのだ!
「ツバキ!?」
裏庭を抜けたところで、アヤメは誰かに手を掴まれた。ぎくりとなってアヤメは身を縮ませる。だが、その人の顔を見て、これ以上の無い幸せをかみ締めるような笑顔になった。
「清次郎さま!」
アヤメは迷わず、清次郎の胸に飛び込んだ。清次郎もそれをしっかりと受け止める。
(ああ……暖かい)
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