10 寒椿
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……ああ、なんて残酷な人。 ツバキのこととなると血相を変えるのね。酷い。ひどすぎる。 どうして……。 なんで、私じゃないの……? アヤメは、あふれる涙を押さえ込むように顔を両手で覆ったが、耐え切れず、ついにそのまま声を上げて崩れ落ちた。
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