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「……私、ツバキを助けるわ。でも、逃がすためじゃない。二人で父を説得して、生け贄なんてやめさせる」
「うん」
直久は、柔らかな表情でうなずいた。
「やるわ! 何とかする。時間はかかるかもしれないけど。まずは、ツバキを私の部屋に連れていくわ。それで、朝になったらお父様のところへ二人で行くわ」
そして、直久の方をしっかりと見て、言った。
「見てて、直久さん。まずは私が、やってみせるから。次はあなたの番よ。約束ね!」
きっぱりと言い切った彼女の顔は、すっきりとしていて、本当に綺麗だった。
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