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────ジャマヲ スルナ
(これは、悪霊の声!? やっぱり……ツバキちゃんがあの悪霊なのか!?)
ということはここは悪霊であるツバキの記憶が作り出した世界だというのか。
直久はやっと自分のなすことが、なさねばならぬことがはっきりと見えてきた気がした。
今、自分が目にしているのは、まさにツバキが悪霊になるまでの出来事で、このまま直久が何もせずにいれば、ただツバキが悪霊になるのを繰り返すばかり。
どこかで、自分がこの悪循環を断ち切らねばならないのだ。
では、どうやって断ち切る?
とにかく落ち着こう、と直久は唾を飲み込もうとした。が、できない。そればかりか、口も顔も動かせない。
(あれ?)
直久はまさか、と思い、足を動かしてみようとおもった。だが、どうやっても自分の意思では足が動かせない。いや、指一本動かないようだ。
(マジかよっ!)
アヤメに助けを求めようとした。
「────っ」
声もでなかった。これは、本格的にやばい気がする。気がするが、同時に悪霊が自分が邪魔に思っている何よりの証拠ではなかろうか。
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