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「それも、強い霊力を最弱化してばれないようにしている」
「うん。ただものじゃないね」
そこで、ようやく二人が考え込むように黙ったので、もう口を挟んでもいいかなと直久は思った。
「何のことだ?」
そう言われた和久は、眉をひそめながら、困ったような表情で直久を見た。
「それがね。どうやらこのペンションには、中に住みつく悪霊だけじゃなくて、外からもなんらかの影響を受けているみたいなんだ」
「外から?」
「うん。まずは、それも調べないと、うかつには手を出せない」
「ほほう~」
(なんだか大変なんだなぁ、この家)
のんきに直久が相槌をうつと、和久はその直久の暢気さに、すこしほだされたようだった。
「とにかく、急いてはことを仕損じる、だよ。明日、この辺の地理についてオーナーに話を聞いてみよう」
和久によって話がまとまると、一同は自室へと戻ることとした。
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