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「ゆずる、明日が力を失っちゃう日なんだ。今日も相当弱まっていたけれど、明日はまるっきり使えないんだ。だから──」
「……わかってるよ」
直久は和久の言葉を遮り、体をひねって向き直った。
「気をつけてやれっていうんだろう?」
吐き捨てるような一言に、顔色ひとつ変えずに和久は頷く。
「僕もゆずるも、ホントに直ちゃんを頼りにしてるんだよ。じゃなきゃ、連れてこないよ。どんなことをしても置いてくる」
「……」
和久のその言葉は、直久の心には、まっすぐには届かなかった。
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