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(どこだ……どこにいる……!?)
寒さを感じているというのに、直久の額にはうっすらと汗がにじんでくる。
部屋の奥の暗がりに目をやった時だった。直久の眉間に力が入る。ベッドの上の布団の固まりが僅かに動いたのを、直久は見逃さなかった。
(あそこだ!!)
直久は、はじかれたように床を蹴って、ベッドに駆け寄る。見ると、ゆずるはベッドの上で布団にくるまり身を縮めていた。
「おい、どうした!? 何かあったのか!?」
驚いたように、勢いよくゆずるが直久を見上げた。
「な、直久っ」
「おう。大丈夫か?」
近寄って肩に手をそえる。すると、その細い肩は小刻みにガタガタと震えていた。
信じられなかった。ゆずるが恐怖に身を震わせている。いつも自信に満ちあふれて、クールで無口でいけ好かない、あのゆずるが。まるで別人のようにおびえきっている。
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