4 だめだ、消える

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「また、目がたくさん……見えるんだ」  消え入りそうな声でゆずるが訴える。 「俺を探してる……たくさんの目が俺を捜してるんだ」 「……え」  直久は、あたりを見回した。  だが、見渡す限りの闇の中に、目だけが浮かんでみえるなんてことがあるわけがない。  でも、ゆずるには見えているのだ。 「もう限界なんだ……」  ゆずるはそう言うと、直久の腕にしがみついてきた。 「限界って……?」 「今は結界を張っているから、奴らには俺の姿が見えない。でも、……結界はもう直ぐ消える。奴らの力がどんどん強くなっていくのが、手に取るようにわかるんだ」 「奴らって――」  生け贄になった女の子たちのこと? と言葉を続けようと思ったが、できなかった。ゆずるが、びくりと大きく体を震わせたからだ。
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