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(くそーーっ!! 死なせてたまるかっ、こんちきしょおおおおっ!!)
最後の力を使い果たすとばかりに、その名を叫んだ。
「和久あああああっ!!」
その時、一瞬だけ、部屋の空気が揺れる。
すると、わずかな間をおいて、けたたましい足音とともに、誰かが駆け込んできた。すぐさま、弟の刺すような鋭い声が部屋に響き渡る。
「臨、兵、闘、者、皆、陳、烈、在、前っ!! 悪霊退散っ!!」
朦朧とする意識の中、ふっ、と部屋中の重苦しさが消し飛んだのを感じた。
(助……かっ……た……)
意識を完全に手放す瞬間、直久は自分に駆け寄った弟の声の他に――クスクス、と誰かが笑う声を聞いたような気がした……。
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