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「ちょっ、落ちる。おち……おあああ」
ベッドの縁で抵抗するもむなしく、派手な音と共に、直久はベッドから床に投げ出された。全身に激痛が走り、息をつまらせる。
「……いってぇ……」
腰をさすり、体を起こした直久は、ベッドの上を見上げ、ギロリとにらみつけた。
「てっめーっ!! いきなり何すんだよっ!!」
「俺に勝手にさわるなっ」
ゆずるは身を硬くさせ、自分の肩を抱いている。
(ひ、ヒトを汚いものみたいに言いやがって……)
一気に頭の隅々まで血がいきわたり、すっかり目が覚めた。
「オレだって好きで触ってたわけじゃねぇよっ。お前が、悪霊に引きずり込まれそうだったから助けてやっただけだろうがっ」
「俺は頼んでない」
「何だとっ!?」
がばっと体を起こし、直久はゆずるの胸ぐらを掴んだ。あまりの憤りに、体中の血液が沸騰するような感覚を覚え、眩暈がする。
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