an artificial arm

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まあ乗りなよと言われ、外車の後方座席に乗り込む。 向かう先は、勿論愛しの我が事務所である。 「……珍しいですね。桐生刑事から依頼をしに来るなんて」 「そうだね……俺から依頼をするのは、確かに久しぶりか?いつも勝手に来て、依頼を持っていくしな」 煙草を咥えながら話す桐生さん。 実は、彼は国家権力に仕える人物であったりする。29歳独身。 「ハハ、そうですね」 苦笑混じりに答える。 彼とこのような関係になったきっかけは、俺の過去に起因する。 そうでなければ、こんな得体のしれない人物と、将来有望な敏腕警察官が結びつく筈はない。 「ところで、何があったんですか?国家権力に解決出来ない問題って……?」 どうせ事務所でもう一度話を聞くことになるのだが、やっぱり気になって本題を尋ねる。 桐生刑事は一瞬だけ表情を曇らせる。 「悪いとは思っている事を念頭に置いて聞くが……」 そう前置きをした後、煙草の火を消して携帯灰皿に入れ、 「神谷の左腕は、まだ稼働してるんだよな」 ミラー越しに俺の左腕を見てそう尋ねた。 「……!!」 思わず息を呑む。 その様子を見た桐生刑事は、器用に片手で再び煙草に火を着け、 「つまり……そういう事だ」 そう、真剣な面持ちで呟いた。
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