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ザーザーと、雨の激しく降る音で目が覚めた。
「……寝ちまったのか」
朝一番の景色は天井。
昨日と同じ服。臭いは特に気にならない。
点けっ放しだったテレビを切ると、寝違えたのか、体の節々が悲鳴を上げた。
「ふわあぁぁ……」
欲望の赴くまま、ベッドインアゲイン!!…と行きたかったが、
「ん?」
机の上に置かれた謎のメモ用紙を発見。
「何だこりゃ?」
差出人は不明。
裏に書かれた内容を一瞥する。
内容は、そんな眠気をどこかへと吹き飛ばす程、ショッキングで頭の痛いものだった。
「はぁ、またやっちまったか。今日もうるさくなるぞ……」
部屋の隅に置かれた冷蔵庫からアイスコーヒーを取り出し、一気に飲み干す。
壁にかけた時計を見ると、時刻は午前八時を示していた。
「……まだ奴が来るまで時間があるな。朝飯くらいは済ませておくか」
まだ若干の余裕があることに、俺は心から安堵する。
先程まで寝ていた椅子に掛かるコートを羽織る。
「今日も長くなりそうだし、久々に『朝からスマッシュ弁当』を買ってみるかな……」
朝飯のメニューを決め、扉のノブに手をかけた。その時、
「ん?」
扉の向こうから聞こえる、猪突猛進と呼ぶにふさわしい激しい足音。
「……まさかな。いくら何でも早すぎるだろ」
ひしひしと迫る嫌な予感に、時間という普遍的事象を突きつけ葛藤していた次の瞬間、
「おっはよおぉございまあす、所長!!!!」
「どおわあぁ!?」
絶対無比の法則を打ち破り、扉が文字通り突き破られる。
同時に響く、骨と骨のぶつかる鈍い音。
俺――真白紅夜は、見事に『朝からスマッシュ!』されるハメになったのだった。
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