an artificial arm

7/37
前へ
/37ページ
次へ
『初めまして。 【真白相談事務所】の代表、真白紅夜(マシロ コウヤ)と言います。 此処では、貴方の悩みを、日夜募集しています。 それを解決する為、少数ですが優秀なスタッフと共に、全力でサポートしていく所在です。 相談内容は多岐に渡り、先ずは相談からで構いません。 報酬額も相談に応じます。 自身も若輩者ですが、是非とも一度足を運んでみて下さい。 貴方のご相談、お待ちしています。』 「…………」 一応書いてはみたが、何だこの胡散臭い文章。 色々虚偽の内容も含まれているが……まあ、何処もこれぐらいはやってるよね。 「んじゃ、仕事を貰いに行くとしますか」 外はまだ雨模様。 再びコートを羽織り、ビニール傘を手にする。 「早かったですね。もう行くんですか?」 「ああ。流石に、今日の仕事がアレだけってのは色々と辛い」 主に、社員からの視線など精神面が。 「出来るだけ楽で、高収入な仕事もらって来てね、所長!!」 んなもんあるか、と思わず叫びそうになるが、心の中だけに留める。 「うぃ~っす、善処はする」 これ以上奴に付き合うと精神が持たないので、適当にあしらってドアノブに手をかけた。 「うわっ!善処するって、最初からやる気が無い人の常套句じゃん!!」 む、妙なところだけ鋭い奴め。 「はいはい、言ってろ。じゃ、後の事は時臣君に頼んだよ」 「分かりました。それでは所長いってらっしゃい」 何で私には言わないの~という言葉はスルーの方向で。 まあ、何だかんだで……結局は仲いいんだよ、皆?
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加