和室。

6/9
前へ
/61ページ
次へ
 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」  気づけば私は泣いていた。  嗚咽とも悲鳴ともつかない声を挙げながら、もはや開く動作すらもどかしく、襖を次々に体当たりで突き破る。  それでも続く和室。  もう後ろを振り返ろうという冷静さなど、私の頭には欠片も残っていなかった。半狂乱で目の前にある襖を破り続ける。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加