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765プロに着く頃には日が落ち、夜が訪れていた。
「……ったく、
誰かさんのせいで結局また夜じゃねぇか…」
ため息混じりでぶつぶつ文句を垂れる。
まぁ、遅れたのはオレがゆっくり歩いてきたのが事実だが…。
「また、昨日みたいに
トラブルとか起きなきゃいいけど…」
そう、心配していると
建物の中から微かに歌声が聞こえてくる。
「頑……まっしょ
一番…きな~♪」
「……
今日は大丈夫みたいだな。」
歌声を聴くとオレの体のどこかで微かに何かの力が抜け、自然に会社の中へと足を運んだ。
「あら?あなたは……」
会社に入るなり、いきなり綺麗な女の人に声をかけられた。
「あの、じぃ、社長に呼ばれたんですが…」
「…あぁ、んじゃあ
きみがアキ君?」
確認するように聞いてくる。
「はぃ。」
「じゃぁ、ついて来て♪」
静かに返事をすると笑顔で対応し、案内し始める。
「あの、あなたは?」
何も話題がなかったので
とりあえず聞いてみると…
「私は、ここの事務員の
音無小鳥です♪」
普通に笑顔で返された…。
「そういえばアキ君。」
「はぃ?」
「あなたはアイドルに興味はある?」
唐突の質問だった…。それゆえ、つい本音が出てしまったのだ。
「アイドルですか?
テレビとかでは、あんまり見たことないし…
歌も聴いたことないですから、まだなんとも言えませんね…。
ただ、一つだけ言えるのは
可愛さはあると思います。
まぁ、人にもよりますけど。
でも、やっぱり実際には
あんま興味ないっす。」
失礼なことを言った後に人は気づく…。
「あ、すいません…
アイドル事務所でこんなこと;」
「……クスクス」
なぜ、笑う!?
「…??」
「あ、ごめんなさい…;
あなたもこれから分かりますよ。アイドル達の素晴らしいを…」
いや、ぶっちゃけ分かんなくて結構ですので早く案内してください。
そうしてる内に社長室へとたどり着く。
「社長。連れて来ましたよ。」
小鳥さんが先に入りその後に自分も入る。
「おぉ、よく来たアキ!」
「急に呼び出して……
急でもないか。
で、一体なんの用?」
適当にその辺のソファーに座りくつろぐ。
「実はアキにプロデューサーをやってもらいたいんじゃ」
「プロデューサー?」
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