8人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぃ、そこまで!」
小鳥さんに言われるままにレッスンの見学にきたオレ…
なにやら声が聞こえたので覗いてみると、声の主はおそらく鏡の多い部屋でメガネをかけ頭がエビフライの女性だと思われる。
その女性の正面には男女一名ずつ。その女性はなにやらため息をつき、おどおどした女の子に話しているようだ。
「まだ諦めちゃダメだよ雪歩!」
男はおどおどした女の子に言った。
どうやら雪歩と言う名らしい。
しかしこの三人…
どっかで見た時あると思いながら考えてみた。
「……あ、ここアイドル事務所かΣ」
ボケてるワケではなく
素で忘れていた。
とりあえず、邪魔しては行けないのでその場を去ることにした。
ところが…
[バンっ]
何かが顔面に直撃。
それは隣のレッスン室の扉だ。
その部屋から出てきた彼女と目があった。
(目と目が合う瞬間好きだと感じたぁ~♪)
頭の中でまたあの曲が流れ
少しの間見つめ合い彼女が口を開く。
「あなたはさっき事務所前にいた…。どうしてこんな所に?」
「いや、質問はいいけど
まず謝ろうな。」
「あぁ…
申し訳ないことをしたわ。
でも、それはあなたにも非はあるんじゃない?」
「え?」
「だってあなたがここにいるのが悪くないとも言い切れないでしょ?
実際、こうして事務所に入り込んでいる時点で罪に問われますよ。」
「……まぁ、そうだな。」
彼女の言うことは最もだった。
それはまだオレが見習いプロデューサーと明かしてないからだ。
オレは罪を拭うために口を開いた
「疑われたままじゃ嫌だし、
一応自己紹介するよ。」
口を開いたその瞬間、
[どんがらがっしゃーん]
世界が回った。
どうやら何かに滑ったらしぃ。
「あの、大丈夫ですか?」
「ちょっと春香~!
いちいち転けないでよね。」
心配そうに顔を覗く彼女に続いて鏡の部屋からメガネさんが怒鳴りながら出て来る。
「あら、春香じゃない…
誰、この子?」
そう呟いたメガネさんの言葉以降はあまり記憶がない。
気がついたらオレの隣に小鳥さん、正面には4人のアイドルが座っていた。
最初のコメントを投稿しよう!