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頭と目がボーっとする。
何か言い合ってるように聞こえるが実際はどうだろう…
先ほどのメガネの女性の声が
小鳥さんの声を威圧しているようにも聞こえる。
あれ?
小鳥さんが怒られてるのか?
先ほどのおどおどした子…
たしか、雪歩って名前の子は
男の子と一緒に小鳥さんのフォローに当たっているみたいだ。
胸がない女性はため息を吐いているように見えた。
「社長が決めた事は絶対です!!
文句言わないでください!!」
うっすら聞こえていた小鳥さんの声が怒鳴るようにしてオレの耳にハッキリと聞こえた
「文句も何もこれは意見です!!
大体、なんで子供なんですか!?
そんなに人手不足ならもっと頼れる人を…」
メガネの女性が小鳥さん以上に声を上げる。
泣き出しそうな雪歩…。
これはオレのせい、なのか…?
いや、じぃちゃんが悪い。
何を思ったのか、オレは声を出した。
「あぁ!!もぅ、めんどくせぇ!!
さっきからごちゃごちゃごちゃごちゃうるせぇんだよ!!」
声を張りながら立ち上がるオレに全員の視線が当たり、静かになる。
「小鳥さんは何も悪くないだろ…。」
声のトーンを下げ静かに言う。
「アキ君…」
小鳥さんの目が少し潤んだ。
「……そうね。
子供に注意されるようじゃ、
私もまだまだかな。」
メガネの女性がため息混じりで笑う。
「誰が子供だ。」
すかさずツッコむオレ。
「まぁ、この件は私自らが社長に問いただします。
とりあえず今は宜しくね。
見習いプロデューサー」
彼女は笑いながら立ち上がった
つられて他の三人も立ち上がる
「あの、
宜しくお願いします…。」
「これからよろしく!!
困った事があったらいつでも聞いてよ。」
雪歩の小さい声が被るように男の子が元気な声で挨拶する。
とりあえず、一段落かな?
「ハィハィ!!
レッスンに戻るわよ。」
事務室を出ていくみんな…
青髪の女性がすれ違い様に声をくれた。
「せいぜい頑張りなさい。」
全員が出て言ったあと、
事務室に残ったオレと小鳥さん。一瞬に気が抜けた。
「アキ君、さっきはありがとう…」
「何、言ってるんですか?
別に大した事してないし、
どちらかと言えばプロデューサーとして怒鳴るのはどうかと思いますけど…」
「あははっ、言えてますね。」
小鳥さんに笑顔が戻った。
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