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「てか、
こんな事今更聞くののもどうかと思うんですが、
プロデューサーって結局何をやればいいんですか?
それと、なんでよりによってオレなんですか?
さっきメガネの人が言ってた通り、もっとちゃんとした人を雇えばいいじゃないですか」
この際だからハッキリさせておきたかった。
「まったく…
資料読まなかったんですか?」
クスクスと笑いながらこちらを見る小鳥さん。
「すいません…
でも、資料が多すぎて目を通す暇がなくて。」
紛いな言い訳をする。
「…そうですか。」
少し微かに笑って話し出す。
「プロデューサーと言うのは…
いろいろと意味がありますが、
この事務所では主にマネージャーとあんまり変わらないです。」
「マネージャー?」
「アイドルのスケジュール、
アイドルの体調管理、
アイドルのコンディション、
それらを常に把握していなければなりません。
また、アイドルとのコミュニケーションも大事です。
仕事を取ってきたり、アドバイスをしたり…」
淡々と話す小鳥さんには申し訳ないが、プロデューサーってのは面倒くさすぎる。
「そして、
彼女たちをトップアイドルへと導いていくのです。」
「トップアイドル…」
「この事務所に11人のアイドルがいます。
それを今はたった一人のプロデューサーだけで活動を行っています。
どういう意味かわかりますか?」
小鳥さんと目が合う。
「オレが必要…
いや、
でもなぜオレなんですか!?
もっと優秀な人材がいると思いますが…!」
「この会社にお金がないのは事実です。ですが…社長の孫でもあるあなたに可能性があるのも事実なんです。
もしかしたら、社長はあなたにこの会社を継がせる気なのかも知れません。」
「そんな勝手な…!」
「まぁ、もしかしたらですけどね。」
可愛らしく笑う小鳥さん。
この人、ホントにただの事務員か?
「…………わかりました。
それなりに頑張ってみます。」
その場だけの返事だと自分は思っていたが多分違った。
「あ、アキ君」
「はぃ?」
「アイドル資料はちゃんと読んでおいてね♪」
「アイドル資料…ですか?」
「この事務所に所属しているアイドル達のプロフィールとかが載っている資料よ。
まずは、全員の名前を覚えてくる事です!」
「は、はぃ!!」
小鳥さんもどこか変わった気がした。
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