8人が本棚に入れています
本棚に追加
「さっきはごめんなさいね。」
小鳥さんが申し訳なさそうな顔でオレを見つめる。
「…?
なんで小鳥さんが謝るんですか?」
「ホントはさっきのアイドルの子達を紹介しておきたかったんだけど、いろいろあっち側の意見もあって…
その、アキ君に悪い思いさせたかなって…」
そういうと小鳥さんは
目をそらして下を見る。
「別に気にしてないので大丈夫ですよ;
資料読んでないオレも悪いし、紹介は明日でいいでので、今日は何をするかだけ教えていただければ…」
オレは小鳥さんの悲しそうな顔を見るために来たんじゃない。
そう思ってるオレは自分の優越感に浸っているだけなのかもしれない。
「そうですね…。
実は今日はそんなにやることがないんですよ。
その、私の手伝いをしてもらってもよろしいでしょうか?」
「あ、はぃ。
分かりました。」
ちょっと顔の曇りが取れたのか少し元気が戻ったようだ。
オレも暇なので、仕方なく手伝う事にした。
資料の整理や業務の雑用、
今後のプロデューサーとしてのあり方など聞きながらこうして、何時間経っただろう
空に上がっていた太陽は沈み
月が少しずつ顔を出し、明るい夜が来ようとしていた。
「お疲れ様。
ずいぶん助かったわ。」
途中途中小鳥さんの妄想が入っていたが、小鳥さんに笑顔が戻ったのは確かだった。
「ちょっと外へ息抜きしてきても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。」
こういう雑務も悪くはない。
そう思いながらオレは
階段を下りて、外の自販機へと急いだ。
コーラを飲みながら、
そういえば給料って出るのか?
まぁ、概要は渡された資料見れば……あの量に目を通すのか;
などと考えていると、
765プロの会社の前に車が一台止まったのが見えた。
大人が一人出てきてなにやらため息を吐いている。
しばらくして車の中から
どこかで見ただろうと思う双子を抱きかかえ会社へ入っていくではないか。
「会社の人かな?
それにしてもさっきの双子、
どこかで見たような…」
「ねぇ、そこの君」
思い出しながら会社の前まで行くと車の中から声をかけられた。
驚いた。素人でも分かる
なんて魅力すぎるんだ。
「暇そうな顔してるの。
どうせだったらミキを事務室まで運んでくれるといいと思うなぁ」
彼女は眠たそうな顔でおんぶしてほしそうな体制でいる。
この子も765プロのアイドルなのか?
最初のコメントを投稿しよう!